千月見

子育てと、たまに仕事の話。スノーボード、キャンプネタが中心。

2年半ぶりの再会

大阪駅の連絡橋にきていたのは、車椅子のT君。2年前の夏に、自転車事故で四肢麻痺となった。


ちょうどその前のスノーボードシーズンが終わってからの春くらい?に、京都で飲んだ後の矢先の事故。


当時25歳、一緒に滑った事は無いけど共通の仲間とワイワイできて、職場が近く高卒から働いてるだけあってか、とても丁寧な彼。


で、事故ではヘリで運ばれて、その後は友人づてで状況を知るだけ。相手の状況もわからず、連絡できない。


そんな2年以上の月日が経ち、今回一緒に飲めることに。4人で会うとは言え、どんな話ができるのか、、。どんな状況、どんな心理状態かもわからないけど、距離感や私の想像が及ばなさすぎる。


でも、わざわざ大阪駅まで苦労して「皆と会いたい」と出てくるT君に、どんな風に接するのがいいのか。チラッとは悩んだけど、失礼があったら謝るのみ!


そんな覚悟で、12時の待ち合わせ場所に向かった。


こっちは、すぐわかる。


久しぶり!と喋りかけると、前のT君のまま。とはいえ「どこまで話してるんかわからなくて、、」と。最初だけ距離感悩んでいた様子だけども、色々聞き出すのは得意な方なので、色んな事聞いてたらTちゃんも子連れでやってきた。


胸から下は麻痺している。

腕は、内側は麻痺。外側と左手の親指と小指が使える。

今は兵庫の施設で自立に向けてリハビリしながら住んでいる。

保険で一度死亡扱いとなった。

自転車保険に入っていて良かった。

会社は休職扱い、期限付き

 

大阪駅からかっぱ横丁あたりまで車椅子を押して移動したけど、なんとまぁ段差のあることか。車道から歩道への3センチ程度の段差がキツイ。段差のあと、緩やかな上り坂になってたりするのもキツイ。


焼き鳥食べたい!というので、適当な焼き鳥屋に入ると、ランチしかやってなくてとりあえずビールを一杯だけ。そこで待っていると、Mが合流。


T君の顔は以前とそんなに変わらず。とはいえ、顎まわり少しふっくら。お腹もポッコリ。

筋肉が少しでもあるところ、神経が通っていれば鍛えられると言ってた。かつてはムキムキマンだった彼にも、神経が通ってなかったら鍛えられないみたいで。


例えば、歩けるようになる可能性はあるの?と聞いたら「麻痺してるから、厳しいっすね〜〜!」と。

驚く事に、彼女もいるし、出会いもリハビリと思って作ってる!と。どんだけアグレッシブなのかと。


テーブルに座ってると、普通すぎてこっちが忘れそう。「なんか食べたいもの注文したら?」の時に、「いや、もうお腹いっぱいです」といわれ、そっか、、お腹減ってないのか、、と気づく。焼き銀杏をむけないと気づく。


汗をかけない体になってしまったと言ってた。神経も通ってないから、無自覚な火傷や熱中症や凍傷が怖いと。

なので、雪山に行きたいけど、雪山は怖いんだって。車いすラグビーがしたいと。


お酒を飲んでるのに、トイレには一度も行かなかった。そこは聞けなかったけど。


来年には施設を出て自立する予定でリハビリしてるらしい。

 

帰りに皆で駅まで送っていった。

車椅子の下のネットに入れてる荷物は、自分で取り出すには相当な苦労がいる。

イコカを取り出すにも、一苦労してるやんか。駅員さんに確認し、エレベーターを探し、帰る準備に相当時間もかかってたみたいだけど、当たり前なのかな。


また次も飲もうや〜〜!とわかれた。

 

ちゃんと飲んで笑えたってのも嬉しかった。

思い返すとどんだけの努力の末の、今日の飲み会なんだよ、と。。

 

自分の日々の当たり前が、いかに貴重なことか。。T君の頑張りに比べたら、、と考えると、恥ずかしくなったり。