緊張の式典
人生で最大のプレッシャーに、壇上で崩壊し、泣いてしまった娘。
誰にも見せずに、夏休みの宿題として提出した作文が、青少年の主張として市内で優秀賞に選ばれたと連絡。1ヶ月後に市のホールで開かれる式典で発表を行っていただきたい、との案内と共に。。
市長や教育関係者が大勢参加の、たくさんの立場ある方々が見に来られるという発表の場だそう。
すごい経験ができるね!!と思う親とは違い、親に対して「本当にいやだ」「宿題出しただけやのに」「見ないで」「恥ずかしい」「何も言わないで!」モードから抜け出せない娘。
「おばあちゃんに指導してもらうから」と言うので、もうお願いするしかなく。
自宅でも、一切、音読を見せない聞かせない。前日に「明日だし、お母さん、お父さんの前でやってみて」と言っても「イヤだ!!!」の一点張り。
親の前で前日に発表できずに、明日200名入るホールの前で、やるのか!?マジか〜〜?と。
おばあちゃんの直前指導は仰ぎつつ、当日を迎えた。
親は何もできない。何かアドバイスをしようとしても、本人が受け付けない。そんなお年頃。
「本番になれば、覚悟が決まるかな?もしくは、覚えてる事がすっ飛んだりして。。まぁ、そうなっても、原稿読めばいいしね。。」そんな気持ちで、見守った本番。
3、4年の部から進行。皆、上手。
そして、5、6年の部へ。
なぜか、6年生5名が先で、娘は最後という順番。
要するに、小学生発表者の中ではトリ。大人には微差でも、小学生には大きなプレッシャーになっただろうな。。
名前を呼ばれ、下手から歩いて出てきた娘。壇上に立ち、タイトルを言ったまでは普通。その後、突然マイクの前で、右手で顔を覆いながら泣き出した。
親は「あーーー、緊張で泣いてしまったか。。」と、理解できる状況。シーンとした中に泣き声が。会場の雰囲気も、ビックリしつつも「頑張れ!!」とササヤキやつぶやきが。しばらく泣いて、係のお姉さんがしゃがみながらくる。「できる?」と言われたらしい。
「親が出て行く場ではない!」と堪え、泣き止みのを待つ事(待たせていただいた時間)2分位。
壇上で自分自身で、ようやく少し落ち着いて、発表し始めた。
発表の間も、私の方は「また泣きだきませんように」という思いばかりで、内容は入ってこない。再度、泣き出しそうな事を堪えているからか、ゆっくりヒックヒックしながら、はっきり話はしてるんだけど、息継ぎの間のすすり上げしか私には聞こえず。
聞いてる人、内容入ってくるんかな?と思いつつ。。
ようやく終わった。
おばあちゃんによれば、内容は完璧に覚えていた、噛む事もなく。ただ、泣いてしまった。
初めて内容を聞いた私の母によれば「いい内容だったね」と。
前々から「舞台で泣いてしまったらどうしよう〜」と言ってた娘。ネガティヴ反応から入るタイプの娘なのでそれは仕方ないとしても「そんな事を想像してたら、本当にその通りに泣いてしまうよ。しっかり話をできている自分を想像するねんで!絶対やで!」と伝えてはいたんだけど。。
プチプレッシャーを味わう事なく、学校でも発表の機会はなく、おばあちゃんの前以外での初めての発表がこの場。
控室に入ってから、登壇までの約2時間でプレッシャーに対する心のコントロールが、できた子とできない子。あとは、何も考えなくても、できてしまう子。そんな中で、感情の出口が壇上で泣く結果に。
親は手助けもできない状態だったけど、本音は「残念」な気持ちと「コレをバネにできたらこの子はすごくなる」というこれからの希望。
待ち時間のプレッシャーが爆発したのかな。私としては「できる」と思ってたけど、コッチに転んじゃったか。
学校の担任の先生は、終わったあと、控えの所に行ってくれたらしい。優しく何度も声をかけてくれたそうで。ありがとうございます。
表彰式には少し会場を見回す位に余裕が出てきた娘。式典は終わりました。
出てきて、、
記念撮影をするにも「いや!」
同じ柔道の子が最優秀賞となるも、お互い会話なし。娘の気持ちも混乱してるままなのが伝わってきました。
応募総数3255作品から選ばれた優秀賞の15作品。身近な人の死が題材で涙腺崩壊系の子達が多い中で、娘の作文は、異彩を放っておりました。
外からはしっかり者に見えても、心のコントロールはまだまだできず、感受性が強く、昨今は反抗も多い娘。
その日の夜は弟にストレスをぶつけまくっていた娘。
誰もが「良く頑張ったね」と言ってくれる中で、親としては「決して良かったとは言い難い発表だった」と伝え、話をする。主に夫担当。
翌日は「なんで泣いたのかわからんねんな〜。」と。
本人から「あの時、いい経験ができた事が役立ってるわー」と、笑って話せる日が来ますように。
登壇後の控室では、プレッシャーから解放された女子同士で、恋バナに花を咲かせていたらしいw。舞台袖では、中学生が慰めてくれたらしい。ホント、いい経験できたなぁ〜〜とホッとした。
恋バナ、聞きたかったなー。
さぁ、次はどこで、この経験が活かされるのか。